2010年9月10日金曜日

あるケニア人青年の未来

いよいよ相互理解相互援助の涙の最終回です。

昨日の夕方やや憔悴して帰ってきた夫

「恥ずかしいんだけど、貸してほしいって言われた半額を貸す事にしたよ」

でもドライバーMはフランス語を習いたいことを自分から言わず
夫から真実を切り出したようで、そしたら照れ笑いしながらモジモジ
していたとか。

希望の額の半額を貸して、5ヶ月の分割で給料から天引きにするようです。


今日の午後、夫と一緒に家に帰るため、車の中でMと待っているときに

で、いつからクラスは始まるの?

と聞いたら本当に身体をくねくねさせてモジモジしてました。

そこからはキラキラ光る目でフランス語が出来るようになりたいという
気持ちや、フランス語が出来たら広がる自分の可能性を語ってました。

ずっと勉強したかったんだけどなかなか始められなかった。
でも、自分にとっては今がその時だと思う。

とかなんとか。

この青年、IDカードに誕生日が書いてないんです。1985年0月0日という
生年月日が記載されています。誰も彼が何月何日に生まれたのか
分らないので。そのくらい決して恵まれている環境で育ったとは
いえないドライバーMには「勉強したい」という言う事は照れてなかなか
言いだせないくらいのことだったのかもしれません。


この前途ある青年に今回は夫も私も折れました。

半分を夫が貸して、半分を多分呼びつけマダムがあげる(?)んでしょう。


でも、そのお金は授業料に使って教材は買わないでね。私が教材は
プレゼントするから。

と申し出てしまいました。私のコースにもいつまでも教材を買わない人が
いてテキストを持っている人のをちらちら見るんですが、持っている人
からすれば良い迷惑です。集中力が半分になります。
でも、持っていない人の事を考えると、本当に勿体ないと私はずっと思って
いました。テキストがないから授業に集中できない。テキストがないから
宿題が出来ない。テキストがないから予習復習ができない。授業中の
限られた時間だけ盗み見る事で、どのくらいテキストの内容を理解する事が
できるんでしょう。授業料は同じだけ払っているのに本当に勿体ない。
だからドライバーMにはそういうことだけはしてほしくなかったので、
夫が授業料を出すなら(何となく予感はしてた)私はテキストを
プレゼントしようと思っていました。そうすれば、車の中で待機している
時間にも勉強できるし、付属のCDで音声も聞けるから。

だから頑張れ、ドライバーM。

0 件のコメント:

コメントを投稿