2012年2月28日火曜日

スパイは誰だ

新しいドライバーのSさんは近所の人のドライバーPさんからの紹介です。Pさんはいつもにこにこしたいい人で、めめちゃんのことをとてもよく可愛がってくれます。他の家のドライバーってどうして良く見えるんだろうな〜、不思議。

さて、先週のある朝、Pさんと話していたら「そう言えば、M(うちが解雇したドライバー)から電話があったよ。二回も!」と言い出すではありませんか。何でも、うちにSさんを紹介したことに対して怒り狂っていて、脅しのようなことも言ったとか。どうしてSさんを紹介したのがPさんだとわかったんでしょうか。

スパイがいる


メイドかもしれない、庭師かもしれない、ガードマンかもしれない、ドライバーかもしれない...疑い始めるときりが無く、暫く疑心暗鬼だった私。めめちゃんを外で遊ばせるときも、会う人会う人にちょっと無愛想になってしまいました。

結局、近所のドライバーの一人がMに電話で話していたことが判明して、その家のマダムが注意してくれました。その日のうちにそのドライバーが私のところにやってきて

「僕はスパイじゃありません。何も知らなかったんです。ただ電話がかかって来て...。Mがそんな大金を盗んでいたのも知りました。」

と、涙目で訴えるんです。そのドライバーだって、内通しようと思っていたわけじゃないと思うんですよね。ただ、Mから突然電話があって、事情を知らないので正直に話しちゃったんでしょう。聞き知ったところによると、Mが具体的にいくら盗んだのか詳しいことを知らない近所のメイド達が、「あんなに若くて気だてのいい人をクビにするなんて可哀想だ。誠心誠意謝ったならまた雇ってあげればいいのに」と話しているそうです。お使いのお釣りをちょろまかしたのとはわけが違うし、そもそも誠心誠意謝ったどころか、私たちは脅されているというのに。これが国民総汚職の根性だ!と夫が激怒。

夫ともうこの件について話すのは止めようということになりました。人の口に戸は建てられないけど、人の噂も75日。私たちが休暇で日本に帰っている間に、ほとぼりが冷めていますように...。

断乳、ドライバーとのその後、そして事故


一週間でいろいろありました。

まず、ついにめめちゃんの断乳に踏み切ったんです。ずっと迷っていたのですが、先日の検診で小児科の先生に、あかちゃんはオッパイがなければないで代わりに安心できるものを探すので大丈夫ですよ」と言われたので決心がつきました。月曜の朝に授乳して、「はーい、これでおしまい」とばっさり辞めました。もともとウトウトしたいときだけおっぱいを欲しがる子だったので、昼間は機嫌が良かったのですが、一日遊んでご飯も食べて疲れて眠くなる時間から大泣きが始まり、あまりの泣き方に一瞬ひるむ私と夫とナニーさん。そして次の朝も五時半から大泣き。思わず、「出来るだけ早く来て!」とナニーさんにSOSの電話をしてしまいました。お風呂も私は水着で入っています。
でも噂に聞いていた通り、二晩ガマンしたら落ち着きました。夜中は一回も授乳していなかったので夜も相変わらず七時半から朝までぐっすり寝てくれました。が、調子が狂ったのか何故か数日は五時半に起きていて、こちらも寝不足でぐったり。
ここ数日は六時半に目覚めて泣いてから機嫌が良くなるまでの時間も短くなって、七時にはむしゃむしゃ朝ご飯を食べています。

一方的に断乳して可哀想だと思う反面、今まで機嫌が悪かったり眠かったり間が持たなかったりした時に授乳して誤摩化していた場面で、一緒に遊んだり本を読んだりするようになり、コミュニケーションのアプローチが変わっただけなんじゃないかという気もします。


さて、クビにしたドライバーですが、遡って調べてみたら私たちが考えた以上に長い期間に渡って、かなりの金額を横領していたことがわかりました。2月分として支払われるべき給料よりも横領の額が多かったため、給料ゼロというメモを封筒に入れて人づてに渡したら翌朝脅迫まがいのメールが来ました。人づてに警告をしましたが、もしこれで連絡がまだ来るようなら私たちの電話番号を変えたり、夫の職場を通じて正式な警告をしたり、というプロセスになるようですが、ここ数日は連絡もないので、このまま落ち着くといいのですが。

めめちゃんが早起きになって一日が長いと思ったこと、そしてドライバーのこともあってケニアに辟易としていて気分転換したいと思ったことなどがあり、週末にドライブに行ったんです。何を血迷ったのか私の運転で。夫は後部座席でめめちゃんの隣。最初は良かったんです。知っている道だったので。目的地近くになると、道幅が狭くなってきてしかも路肩が崩れていたりして、それが怖くてやや右側に寄って運転していたんです。すると反対側から猛スピードでやって来るマタツが。その瞬間、すごいバーン!という衝撃が。マタツが私の車に当たって去って行ったんです。ハンドルを持つ手が震える程のショック。車を止めて調べたらボディには異常は無く、サイドミラーだけが粉々になっていました。でも、ミラーの向きを変える電気系統もフレームもダメージはないようです。
精神的ショックが大きくて、落ち込み気味の私を近所の人のドライバー達が必至に慰めてくれました。あの道、あのマタツ。ケニアじゃなかったらあんな事故は起こらなかったんじゃないかと思ったらますますケニアに辟易としてきました。
その日、行ったのはジラフセンターだったんですが、帰ってきてからめめちゃんに絵本できりんを見せながら「きりんだよー」と教えたら「キイン」と言うようになりました。

2012年2月18日土曜日

ドライバー面接

朝からドライバーの面接でした。一人三十分の枠を作って割り当てたのに、指定の時間より一時間も早く来る人がいたりで、順番も時間も予定と大幅に違ってしまいました。一番に来たら仕事がもらえるとか思ったんでしょうか…。と、思ったら、ゴシップを聞きつけたアスカリ(ガードマン)の一人が、僕も候補にいれてください、とやって来たり。その彼が意外に良かったんですが、すぐに働けないのがネックで敢えなく選考から落ちてしまいました。

しかし、本当に難しいですね。いいドライバー見つけるのって。前のドライバーみたいに運転が滅茶苦茶上手でもネコババするような人はダメだし、だからと言って人柄が良くても運転がヘタなのも却下。夫の職場は市街地で朝晩は渋滞が酷いし、職場の駐車場は下り坂からバックして柱をよけながら駐車しなければならない難易度の高さなので、どうしても経験のあるドライバーが欲しい。いいな、と思った候補者は何かにつけて「うちは貧しいので…。」と言って、これじゃあローンやら前借りを繰り返しそうな予感がして、運転は上手いのに印象があまり良くありませんでした。若くて人間的に好感の持てた人は残念ながら運転が下手で…緊張していたのもあるかもしれませんが、私より駐車が下手でした。

結局、採用に向けてトライアルとして働くことになったのは、近所のドライバーからの強い薦めで面接した人でした。決め手はないけど総合評価が高く、特にマイナス要素もありません。実際の運転が上手くて道もよく知っててくれれば言うことないんですが。

ちなみに、解雇したドライバーは今ごろ家でうなだれて途方に暮れているんじゃないかと、昨日はちょっと心配したり、申し訳なく思ったりしましたが、どうやら夫のところに「一年半も働いたんだから退職金くれ」というSMSを送ってきたようです。金を盗んでおきながら謝罪や弁解の言葉は一切なく、この開き直りぶり。この厚顔無恥さのおかげで罪の意識が吹っ飛びました!何を言われてももう返事は一切しないことに決めて、夫の職場でドライバーとして働いている彼の従兄弟に、清算した給料を渡してもらうついでに、彼を黙らせないとあなたのポストも危うくなるよ、と言おうと思います。前々からこの男は、ありがとうとすみませんが言えないと思っていたんですが、こう言う状況でもやっぱり同じ。呆れました。

さて、新ドライバーの腕はいかほど?

2012年2月17日金曜日

まさかの裏切り

我が家のドライバー。メメちゃんの面倒もよくみて、フレンドリーで近所でも評判のドライバーでした。



ここにきて、金銭横領が発覚しました。ま、修理屋と結託して修理費に上乗せした分を山分け、とかもやっていたとは思うんですが、そういうのって証拠がなかなか上がらないんですよね。今回のケースは運が良かったのか、お金の動きがコンピューターに記録されているので、時間をさかのぼって履歴を呼び出せたんです。そして、そういうことができるということを本人は知らなかったらしく、夫が最近になって履歴の話をしてからは挙動不審になり、履歴を見るまでもなくかなりクロに近いグレーだとは感じていました。

もちろん、問答無用で即クビです。セキュリティに事情を説明して、彼がきても絶対にゲート内に入れないように指示をしました。

もうー、ガッカリです。夫婦で信頼してたんです。だから、私たちが引っ越す時には、夫が職場のドライバーに推薦しようかな、と言っていたくらいなのに。目先のはした金に目が眩んで、将来を棒に振ったんです、あの男。四歳と新生児を抱えて無職でこれからどうするんだろ、と思うとこっちまで気分が暗くなりますが、それ以上に今まで何かにつけよくしてあげたのにこんな風に裏切られたので怒りが収まりません。

フランス語でtrop bon, trop conと言うのがあります。お人好しはただの馬鹿、とでも言うんでしょうか…。結局ドライバーもそんな風に思って、ただの金づるとしか私たちを見てなかったのかと考えると人間不信になりそうです。早くケニアを離れたいな〜と言う気持ちが一段と強くなりました。これでドライバーよりも信用しているナニーさんに裏切られていたら私は任期が終わるのを待たずにめめちゃんとケニアを離れますね。

問題は、次のドライバーなのですが、周りの皆さんの紹介で数人の候補者がいるので、週末に面接をします。月曜日に夫が仕事に行く時にドライバーがいない状況だけは避けたいです。次のドライバーにはあくまでドライに事務的に距離を取って信用し過ぎないようにします。…できるかなー。

2012年2月15日水曜日

去年の三月に


このビーチに最初に来たのは去年の二月だったっけ?
と聞く夫に
三月だったでしょ。
と確信を持って答える私。本当に?どうして覚えてるの?と不思議がる夫。

ここに最初に来たのは三月の最初の週末で、ここでめめちゃんは生後四ヶ月を迎えました。フランスからの友達もいて、楽しい滞在で、満足してナイロビに戻って、友人がフランスに帰り、時間が出来たから友達の家に行こうとしていた金曜日の朝、3月11日の金曜日の朝、車の中で地震のニュースを知ったんでした。

地震の直後は、このビーチで撮った写真を見て「あの頃は、何も起こってなくて、何が起きるかも知らなくて、能天気で幸せだったなあ」と何度も何度も思ったものです。

去年は乳飲み子(今でも乳飲んでますが)を抱えて、何も出来ず、右往左往してばかりいましたが、今年の3月11日は日本で過ごします。

母の悩み

最近の悩みは、めめちゃんの幼稚園について。日本だと三歳からが主流なので、一歳三ヶ月の時点では幼稚園のことはあまり考えないんでしょうが、ケニアでは一才半から通わせるのは珍しくなく、二歳ではほとんどの子が幼稚園に行っている気がします。

私がめめちゃんと家でゆっくりできるのはケニアにいる間だけなので(次の国ではちゃんと仕事します)、その貴重な時間を享受しないでどうするんだろうと言う想いと、幼稚園に行けば沢山の子がいて遊びもお遊戯も楽しめるんじゃないかという想いが交差して、行かせるべきか否かでまず迷っています。(もっと長いスパンでケニアに住むなら、めめちゃんをちゃんとケニアで教育を受けさせるステップを踏むのですが、ちょうどここを離れてフランスに引っ越す時期とフランスで子供を幼稚園に入れる時期が重なるんです。)

そして、もし行かせるなら、どこがいいかというのも大きな悩みです。人気のある幼稚園というのはあるのですが、我が家からだと渋滞しやすい道を通らないと行けない、という致命的な問題があります。それ以外で、是非とも通わせたいと思った幼稚園は三歳からとのこと(じゃあ、そもそも無理してどうでもいい幼稚園に通わせなくてもいいのでは、という最初の問いに逆戻り)。

二歳になるタイミングで通わせるならまだ時間がある、と思っていたのに、人気のある幼稚園はウエイティングリストがあるから早くした方が良いわよ、とも言われ、悩んだり焦ったりでだんだんわけがわからなくなってきました。

ちなみに、夫のスタンスは一貫して「幼稚園に行かせるのは反対」。理由は「まだこんなに小さいのに可哀想」。

取り合えず、気になっている幼稚園を見学してから決めようと思います。

最近の様子

もう二月も中旬なんですね、びっくりびっくり。

最近のめめちゃんは...習い事を始めました。と、言ってもそんなに堅苦しいものではなくて、週に一回中庭でやっているベビージムに参加し始めたんです。これは、二歳前後の子供をもつママ達がどこからかインストラクターを探してきたんです。ケニア人なんですが、噂では中国で曲芸やらアクロバットを習得したらしく、「中国でアクロバットをやる人は子供の頃からトレーニングをしている」と言って、ナイロビでも赤ちゃん向けのトレーニングを普及させているんです。トレーニングって言っても相手は赤ちゃんなのでそんなに難しいことはしません。飛んだり跳ねたりバランスを取ったり。でも、そこは赤ちゃん、先週は楽しく参加していたのに、今週は泣き叫んでずっと抱っこばっかり、ということもあります。めめちゃんには無理強いしないようにしています。インストラクターと助手の二人に対して生徒は6人程。一時間700円です。

今日は15ヶ月の予防注射を受けてきました。診察室に入った瞬間に泣き始め(先生がまだ来てないのに)、先生に触られると身をよじって抵抗し、ヒックヒックしゃくり上げながら誰とも目を合わせず、ドアをしきりに指差して「帰りたい」を猛アピール、というめめちゃんでした。よく動くようになって体重は緩やかな増加になりましたが、身長はちゃんと伸びていて、身長体重ともに25%になりました。産まれたときは最低ラインにも引っかからなかった程だったので、よく大きくなったなーというのが素直な感想です。

週末は海に行ってきました。いつもお世話になっているお気に入りのホテルに二泊。最初に行ったのは一年前で、まだ首も座らない頃でした。スタッフのみなさんに可愛がられてご機嫌なめめちゃんは、プールで、砂浜で、スコップを持って遊ぶのに大忙しでした。