2010年7月31日土曜日

言語が人格を支配する

日本にいたときに、妊婦なのになかなか電車で席を譲ってもらえない、とフランス語の先生に話したらフランスでは信じられない話だ、と驚かれました。座っている人が自主的に譲らない場合でも周りの人が「妊婦がいるんだから譲れ!」と助けてくれるか妊婦自ら「妊婦なんですけど」と譲らせる、と言ってました。私も電車の中で何度も優先席で寝ている人を突っついて「妊婦なんですけど、いいですか?」と言ってみたいと思いましたが、やっぱり気が引けますよね。なにしろ、控えめなのが日本人のウリですから。


ヨーロッパで過ごした10日のうち、5日はドイツにいました。以前住んでいた町からパリに戻るために空港へ行くときに、重いスーツケースがあるんだからタクシーで行け、と夫に言われていたのにケチってバスと電車に乗る事にした私。電車の駅で一カ所長い階段をスーツケースを持ちあげてのぼらなければいけなくて上ったあと、お腹が張ってきたらどうしようとハラハラしているうちにホームに電車がやってきました。
空港行の電車だけあって乗客の多くはスーツケースやリュック等の大きな荷物を持った人が多くて、席が見つかりません。ふと見ると2人X2人で対面で座るボックスシートの進行方向窓側に中年男性が座っていて、周りには3つスーツケースが置いてありましたが少し身体をずらせば進行方向を背にした通路側に座れそうだったのでそこに腰をかけました。すると、中年男性が


「すみません、そこ、人がいるんですけど」


と話しかけてきました。どうやら席を立って車内をうろうろしている10歳くらいの娘さんがもともと座っていた席のようでした。反射的に立ち上がろうとしたのですが、突然むっとして思わず言ってしまいました。


「でも私、妊婦なんですけど!」


語気が強かったのか、言い返されるのを予想していなかったのか中年男性は両手を肩まであげて(参った、のポーズ)「わ、わかった、わかった」とすごくビックリしてました。噛み付かれるとでも思ったんでしょうか。


でも一番ビックリしたのは言った私自身でした。日本語だと一度も言えなかった言葉がドイツ語だと反射的に出たんですから。




話す言葉によって性格が多少なり変わると実は常々思っていました。ドイツ語を話しているときの自分の自己主張の強さは、日本語を話している時の何倍にもなります。




子供が産まれたらなるべく家庭内での言語を絞った方がいいと思って、本格的にフランス語を導入すべくまた学校に通いますが、フランス語を話す自分はどんな感じになるのか楽しみなような怖いような。フランス女よりも身勝手傲慢になったらきっと夫が泣く事でしょう。

1 件のコメント:

  1. also, ich habe noch nie gehoert, dass eine schwangere frau in deutschland nach einem sitzplatz verlangt hat.
    hm..., wie sagt man da doch auf japanisch?
    非常識じゃない?

    das gleiche gilt auch fuer das ueberfluessige reisen waehrend der schwangerschaft. einbisschen mehr ans kind denken, bitte!

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